モクレン(木蓮、木蘭、Magnolia quinquepeta もしくは Magnolia liliiflora、中国では紫玉?と表記するが木?、辛夷、木?、望春、女郎花とも呼ばれる)は、モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。ハネズ、モクレンゲと呼ばれることもある。昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともあるが、これは花がランに似ていることに由来する。今日では、ランよりもハスの花に似ているとして「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになった。
○特徴
・分布
中国南西部(雲南省、四川省)が原産地である。英語圏に紹介された際に、Japanese magnolia と呼ばれたため、日本が原産国だと誤解されている場合がある。
・形態
小型で樹高3-5m程度。葉は互生で、広卵型、長さ8-10cm、先は尖る。花期は春(4-5月頃)。花は濃い紅色から桃色で、花弁は6枚、がくは3枚、雄しべと雌しべは多数が螺旋状につく。上品な強い芳香を放つ。ハクモクレンとは異なり、花びらは舌状で長い。実は赤い。
・利用
庭木、公園樹として中国、日本だけでなく、北米やヨーロッパ諸国で広く栽培されている。移植は困難であり、株分けによって殖やす。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では国花に指定されている。
○近縁種
・ハクモクレン
ハクモクレン(白木蓮、学名:Magnolia heptapeta、シノニム:Magnolia denudata)はモクレンの仲間で白色の花をつける。しばしば、「モクレン」と混同され、そう呼ばれることがある。モクレン属の中では大型の種類で樹高は10-15m程度まで成長する、春、葉に先立って大形で白色の花が開く。
・サラサモクレン
モクレンとハクモクレンの雑種はサラサモクレン(更紗木蓮、Magnolia × soulangeana)と呼ばれ、やはり街路樹などに用いられる。樹高は6-10mと変化に富む。花の形はハクモクレンに似て丸い。花の色は両種の中間に相当するピンク色が基本だが、やはり白から紫までの変化に富む。開花時期はハクモクレン、サラサモクレン、モクレンの順である。
○交雑種
シモクレンとシデコブシの交雑種もあり、花の外観は細めのシモクレンに見える。
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