2012年2月22日水曜日

ワタ属

ワタ属(Gossypium spp.、英: cotton plant)は、アオイ科の属の一つ。約40種の多年草からなる。世界各地の熱帯または亜熱帯地域が原産。子房が発達して形成される朔果 (ball) の内部の種子表面からは白い綿毛が生じ、これを繊維として利用するため栽培される。この繊維は綿として利用される。また、繊維を採取した後の種子から取られた綿実油は、食用油として利用される。油の絞りかすにはポリフェノールのゴシポールが含まれており、有毒であるが、中国では男性用の経口避妊薬として用いられている。
○種類
栽培種には4大種と呼ばれる相互に異なる野生種に由来する栽培種の系統がある。これらは相互には交配できないとされる。
オーストラリア野生綿 G. sturtianum n = 13 オーストラリア
アジア綿 G. arboreum、G. herbaceum n = 13 アジアおよびアフリカの野生種と栽培種
アメリカ野生綿 G. armourianum n = 13 北米西南およびガラパゴス島
アメリカ栽培綿 G. hirsutum n = 26 北米、南米、アフリカ、太平洋諸島
○栽培環境
生育には高温(平均気温25℃程度)が必要。アメリカ合衆国のコットンベルトとよばれる綿の栽培地帯は北緯37度~39度。年降水量は1000~1500 mmを要する一方、開花期には乾燥が必要。春に播種し、2ヶ月程度で着蕾、開花する。開花40~45日後に朔果が割れ、中の繊維質が出てきて収穫時期となる。
○遺伝子組み換え
ワタの遺伝子組換え品種が多数開発され、遺伝子組換え品種の栽培面積が急激に広がっている。2003年度においては世界のワタの総栽培面積のうち21%が遺伝子組み換えワタであったにすぎなかったが、2009年度においては49%となっている。アメリカにおいては、2009年度の組換えワタの栽培面積は綿の栽培面積の88%(約320万ha)であった。2010年度では、93%である。中国においては2003年度は58%が遺伝子組み換えワタで、2009年度は60%で370万ha以上であった。インドにおいては、2008年度のワタの栽培面積の76%(約695万ha)は組換え品種であった。なお、上記のデータと多少の誤差があるがISAAAの調査によると、インドの各地方に適した様々な品種が開発され、2009年度には87%(約840万ha)がBtワタになっており、2009年度には560万人の小農がBtワタを栽培している。導入された遺伝子は2種に大別される。ひとつは殺虫効果のある結晶タンパク質を作るBacillus thuringiensis (BT) という真正細菌の遺伝子、もうひとつはラウンドアップなどグリホサート系の除草剤に耐性を持つ遺伝子である。これら両方の遺伝子を導入した品種も作られている。

2012年2月6日月曜日

関西の梅林

○大阪府
・水月公園
この公園はショウブの花で有名ですが梅の花もきれいです。
住所:池田市鉢塚3丁目6-1
・大阪城梅林
大阪城二の丸東部分にある約1.7万平方mに約1270本の梅が植えられている。梅の種類は早咲きから遅咲きまで約100品種揃っているので、1~3月と長い期間、梅の花を楽しむことができる。
例年の見ごろ:2月中旬~3月上旬
本数:約1270本
入園料:無料
開園時間:入園自由
住所:大阪府大阪市中央区大阪城
・大阪万博記念公園
110種660本/2月中旬~3月上旬/水曜休日(祝日の場合は翌日)梅まつり期間中は無休/9:30~17:00/250円小中学生70円/駐車場1,200円 /大阪モノレール「万博記念公園駅」すぐ
住所:大阪府吹田市千里万博公園
・枚岡梅林
大阪府下でも屈指の梅の名所。約2万平方メートルの斜面に数百本、花の色は紅・白・薄紅とさまざまで、2月中旬頃が見頃になる。ハイキングコースにもなっている。
2月中旬~3月上旬が見ごろです。
住所:大阪府東大阪市出雲井町7-16(枚岡神社隣)

2012年2月4日土曜日

クスノキ

クスノキ(樟、楠、Cinnamomum camphora)とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木である。一般的にクスノキに使われる「楠」という字は本来は中国のタブノキを指す字である。別名クス、ナンジャモンジャ(ただし、「ナンジャモンジャ」はヒトツバタゴなど他の植物を指して用いられている場合もある)。食用となるアボカドや、葉が線香の原料となるタブノキは近縁の種である。
○特徴
幹周囲10m以上の巨樹になる個体も珍しくない。単木ではこんもりとした樹形をなす。木肌は綿密で、耐湿・耐久性に優れている。葉はつやがあり、革質で、先の尖った楕円形で長さ5~10cm。主脈の根本近くから左右に一対のやや太い側脈が出る三行脈である。その三行脈の分岐点には一対の小さな膨らみがあり、これをダニ室という(後述)。4月末から5月上旬にかけて大量に落葉する。5月から6月にかけて、白く淡い黄緑色の小さな花が咲く。10月から11月にかけて、直径7~8mm程度の青緑色で球形の果実が紫黒色に熟す。鳥が食べて種子散布に与るが、人間の食用には適さない。中には直径5~6mm程度の種子が一つ入っている。各部全体から樟脳の香りがする。樟脳とはすなわちクスノキの枝葉を蒸留して得られる無色透明の固体のことで、防虫剤や医薬品等に使用される。カンフル注射のカンフルはこの樟脳を指しており、“camphora”という種名にもなっている。
○生育地
世界的には、台湾、中国、ベトナムといった暖地に生息し、それらの地域から日本に進出した。(史前帰化植物)日本では、主に、本州西部の太平洋側、四国、九州に広く見られるが、特に九州に多く、生息域は内陸部にまで広がっている。生息割合は、東海・東南海地方、四国、九州の順に8%、12%、80%である。人の手の入らない森林では見かけることが少なく、人里近くに多い。とくに神社林ではしばしば大木が見られ、ご神木として人々の信仰の対象とされるものもある。
○利用
全体に特異な芳香を持つことから、「臭し(くすし)」が「クス」の語源となった。「薬(樟脳)の木」が語源とする説もある。またそのことや防虫効果から元来虫除け(魔除け:アジア圏では古来から虫(蟲)は寄生虫や病原菌などの病魔を媒介すると考えられていた)に使われたくす玉(楠玉)の語源であるという説もある。材や根を水蒸気蒸留し樟脳を得る。そのため古くからクスノキ葉や煙は防虫剤、鎮痛剤として用いられ、作業の際にクスノキを携帯していたという記録もある。また、防虫効果があり、巨材が得られるという長所から家具や飛鳥時代の仏像にも使われていた。枝分かれが多く直線の材料が得難いという欠点はあるが、虫害や腐敗に強いため、古来から船の材料として重宝されていた。古代の西日本では丸木舟の材料として、また、大阪湾沿岸からは、クスノキの大木を数本分連結し、舷側板を取り付けた古墳時代の舟が何艘も出土している。その様は、古事記の「仁徳記」に登場するクスノキ製の快速船「枯野」の逸話からもうかがうことができる。室町から江戸時代にかけて、軍船の材料にもなった。クスノキの葉は厚みがあり、葉をつける密度が非常に高いため、近年交通騒音低減のために街路樹として活用されることも多い。
○ダニ室について
クスノキの葉に2つずつ存在するダニ室にはクスノキにとって無害なフシダニの一種が生息している。ダニ室で増殖したフシダニは少しずつダニ室の外に溢れ、これをダニ室には侵入できないサイズの捕食性のダニが捕食することでクスノキの樹上には常にフシダニ捕食性のダニが一定密度で維持されている。このダニ室を人為的に塞いでダニ室のフシダニやこれを捕食する捕食性のダニを排除すると、クスノキにとって有害な虫えいを形成するフシダニが増殖し、多くの葉がこぶだらけになることが知られている。従って、クスノキの葉のダニ室はクスノキに病変を引き起こすフシダニの天敵の維持に役立っていると考えられている。


コバノシナノキ

コバノシナノキ(小葉の科の木、小葉の級の木、学名:Tilia cordata Mill.)とはシナノキ科の植物の一種。フユボダイジュ(冬菩提樹)、コバボダイジュ(小葉菩提樹)、シナボダイジュ、ヨーロッパボダイジュなどの別名がある。
○分布
中国原産の落葉高木。ヨーロッパからコーカサスに分布。ナツボダイジュ同様に日本各地の仏教寺院に多く植えられている。
○特徴
高さ30mに達する高木。葉はナツボダイジュのような有毛は少なくざらつきはない。 葉は長さ5cm程度と小さく、葉や花はハーブとして用いられるほか、タバコや茶の代用品としても利用されている。
○品種
ゴールドハート (西洋種)
リンデンバウム (西洋種、別名:スモールリーブリンデン)
ライムトリー (西洋種、別名:スモールリーブライム)


2012年2月2日木曜日

ケヤキ

ケヤキ(欅、学名:Zelkova serrata)は、ニレ科ケヤキ属の落葉高木。ツキ(槻)ともいう。
○特徴
東アジアの一部と日本に分布。日本では本州、四国、九州に分布し、暖地では丘陵部から山地、寒冷地では平地まで自生する。街路樹や庭木などとしてよく植えられる。高さ20 - 25mの大木になるため、巨木が国や地方自治体の天然記念物になっていることがある。葉の鋸歯は曲線的に葉先に向かう特徴的な形であり、鋸歯の先端は尖る。雌雄同株で雌雄異花である。花は4 - 5月頃、葉が出る前に開花する。秋の紅葉が美しい樹木でもある。個体によって色が異なり、赤や黄色に紅葉する。
○木材
木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じる。堅くて摩耗に強いので、家具・建具等の指物に使われる。日本家屋の建築用材としても古くから多用され、神社仏閣などにも用いられた。現在は高価となり、なかなか庶民の住宅には使えなくなっている。伐採してから、乾燥し枯れるまでの間、右に左にと、大きく反っていくので、何年も寝かせないと使えない。特に大黒柱に大木を使った場合、家を動かすほど反る事があるので大工泣かせの木材である。また、中心部の赤身と言われる部分が主に使われ、周囲の白太は捨てられるので、よほど太い原木でないと立派な柱は取れない。




○シンボル
多くの自治体が、「県の木」「市の木」といったシンボルにケヤキを指定している。

2012年2月1日水曜日

ヤツデ

○特徴
20cm以上もある大きな葉をつける。葉はつやがあり、やや厚手。形は文字通り掌状だが、7つまたは9つ(奇数)に裂けており、8つに裂けることは無い。学名のFatsia は日本語の「八」(古い発音で「ふぁち」、「ふぁつ」)または「八手(はっしゅ)」に由来するという。関東以西の、おもに海岸近くの森林周辺に自生する。日当たりの悪い森林のなかにもよく自生しているのが見られる。葉が大型で独特の形をしているのでよく目立ち、見分けやすい。丈夫なので庭木としてもよく植えられる。 花は晩秋に咲き、球状の散形花序がさらに集まって大きな円錐花序をつくる。花びらは小さいが花茎を含めて黄白色でよく目立つ。他の花が少ない時期に咲くため、気温が高い日はミツバチやハナアブ、ハエなどが多く訪れる。果実は翌春に黒く熟す。葉を乾燥させたものは八角金盤と呼ばれる生薬になり、去痰などの薬として用いられる。しかし葉などにはヤツデサポニンという物質が含まれ、過剰摂取すると下痢や嘔吐、溶血を起こす。このため昔は蛆用の殺虫剤として用いていたこともある。
○近縁種
近縁種としては小笠原諸島にムニンヤツデ F. oligocarpella(米国ハワイ州にも野生化)、台湾にタイワンヤツデ F. polycarpa がある。また、セイヨウキヅタとの属間雑種ファツヘデラ X Fatshedera lizei も観葉植物として栽培される。なお、外見的に似ているが縁の遠いものにカミヤツデ、よく似た葉をつける草本にクサヤツデなど、ヤツデの名を持つものは他にも多い。