シャクナゲ (石楠花、石南花) は、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の低木の総称である。狭義にはアズマシャクナゲやツクシシャクナゲを指すが、学術上のシャクナゲ類は広くツツジ属のうち常緑性のものを指す。
○特徴
主として北半球の亜寒帯から熱帯山地までのきわめて広い範囲に分布し、南限は赤道を越えて南半球のニューギニア・オーストラリアに達する。特にヒマラヤには非常に多くの種が分布する。野生状態でも変種が数多く、また園芸植物としても数多くの品種がある。そのため、種類数は定義によって大きく異なるが、おそらく数百種類はあると思われる。いずれも派手で大きな花に特徴がある。花の色は白あるいは赤系統が多いが、黄色の場合もある。シャクナゲは葉にロードトキシンなどのケイレン毒を含む有毒植物である。摂取すると吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすことがある。葉に利尿・強壮の効果があるとして茶の代わりに飲む習慣を持つ人が多く存在するが、これはシャクナゲに「石南花」という字が当てられているため、これを漢方薬の「石南」と同一のもの(この2つに関連性はない)と勘違いしたためであり、シャクナゲにこのような薬効は存在しない。シャクナゲは常緑広葉樹にもかかわらず寒冷地にまで分布している。寒冷地に分布する種類のなかには、葉の裏側を中にした筒状にして越冬するハクサンシャクナゲなどがある。日本にも数多くの種類のシャクナゲが自生しているが、その多くは変種であり、種のレベルでは4種または6種に集約される。このほか、園芸用品種として数多くの外国産のシャクナゲが日本に導入されており、各地で植栽されている。
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